時鳥庵晴耕雨読

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2018年 06月 28日

コナラ倒木上の昆虫類(その3・オナガコマユバチの一種)


 倒木上をよく見ていると、サッポロオナガバチなどよりうんと小さいのに似たような体形をし、似たような産卵をするハチがいることに気がついた。体長(産卵管を除く)は10㎜もないだろう。ヒメバチではなさそうだ。これも渡辺恭平博士に同定してもらったところコマユバチ科オナガコマユバチ亜科のHypodoryctes cantata だということが分かった。寄主は不明だが、同属の寄主としてクロホシタマムシが唯一海外で報告されているらしい。本種もタマムシ類の幼虫に捕食寄生するのだろうか。時鳥庵にはナガタマムシ類やムツボシタマムシ、ツシマムツボシタマムシなどは結構いる。
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倒木上のメス

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産卵するメス

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倒木上のオス

(OM-D EM-1 Mark II;  M. Zuiko Digital ED 60mm F2.8 Macro)


by jichouan | 2018-06-28 17:08 | 昆虫 | Comments(0)
2018年 06月 12日

コナラ倒木上の昆虫類(その2・キスジクチキヒメバチ)


 その日も午前中サッポロオナガバチのメスが産卵をしていた。数時間後の午後3時ころに行ってみるとまだ同じ場所で産卵をしているではないか。こんなに長い時間かかるのもおかしいと思いつつ、数枚写真だけは撮っておいた。それを持ち帰りモニターで拡大してみて驚いた。サッポロオナガバチとは顔が違うのである。つまり違う種に入れ替わって同じ場所で産卵していたのだ。
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上がサッポロオナガバチ、下は入れ替わっていた種

(OM-D EM-1 Mark II;  M. Zuiko Digital ED 60mm F2.8 Macro)

 これはもう少し良く見ないとと思い、再びカメラを持って倒木まで引き返し、じっくり撮影したのが今回掲載した画像だ。渡辺恭平博士によりこれはヒメバチ科クチキヒメバチ亜科のキスジクチキヒメバチ Cnastis vulgaris と同定された。博士によるとこの種の寄主としてセミスジコブヒゲカミキリが記録されているが、おそらく寄主範囲はもっと広いだろうとのことであった。ちなみにこの倒木からは今のところカミキリはゴマフカミキリしか見つけていない。サッポロオナガバチとは亜科が異なるがぱっと見はよく似た形態をしており、きっと似たような生活をしているのだろう。産卵管を差し込み始めてからそれを抜くまでの画像を貼っておく。
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(OM-D EM-1 Mark II;  M. Zuiko Digital ED 60mm F2.8 Macro)

 サッポロオナガバチでは産卵管が差し込まれている間に鞘が抜かれるのだが、本種では産卵管と同時に鞘も引き抜かれる。

by jichouan | 2018-06-12 13:24 | 昆虫 | Comments(0)
2018年 06月 04日

コナラ倒木上の昆虫類(その1・サッポロオナガバチ)


 時鳥庵の温室横にコナラの倒木がここ何年かそのまま放置してある。天気の良い日には毎日一度はそれを覗きに行く。なんらかの甲虫類やハチ類がいることが多く目が離せないのだ。
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温室横にあるやや古いコナラの倒木

 まず目につくのがオナガバチの仲間だ。倒木上を何かを探すように歩きまわるメスがよく目立つが、オスはあまりいない。メスは触角の先端で倒木の表面を探りながら歩いているのだ。おそらく倒木の中にいる何らかの昆虫(おそらく幼虫)の所在を探っているのだろう。そうなのだこのハチの幼虫は他の昆虫の幼虫に捕食寄生して育つのだ。だからメスは寄主になる昆虫の幼虫を探し、それに長い産卵管を使って卵を産みつけるのだ。産卵中のメスを見ることもある。しかも、このハチ類は複数種が共存しているから面白い。
 手始めに今回紹介するのはヒメバチ科オナガバチ亜科のサッポロオナガバチ Epirhyssa sapporensis だ。この倒木に来るハチの中ではもっとも個体数が多い。産卵中のメスも結構観察できた。
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触角を使って倒木中の寄主を探索するメス

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寄主を見つけたのだろう。産卵管を差し込む。

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産卵管はさらに深くまで差し込まれる。この種では産卵管を差し込んでいる間に産卵管の鞘は引き抜かれる。

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産卵が終わったのか、産卵管を徐々に引き抜く

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産卵管は完全に引き抜かれ、鞘に収まる

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倒木上のオス

(OM-D EM-1 Mark II;  M. Zuiko Digital ED 60mm F2.8 Macro)

 ハチ類の同定は神奈川県立生命の星・地球博物館の渡辺恭平博士にお願いした。博士によるとサッポロオナガバチの寄主は判明していないようだ。

by jichouan | 2018-06-04 09:28 | 昆虫 | Comments(0)
2017年 10月 07日

アリバチモドキ・・・


 アリバチモドキ(=ヤマトアリバチモドキ)はアリバチのなかまだ。したがってアリバチ科に所属するのだが、最近ではアリバチモドキ科を独立させ、それに入れられることもあるようだ。どちらがよいのか庵主にはよくわからない。
 ここのところ奥日光では朝の最低気温が1℃台まで下がり、結構寒くなったのだがアリバチモドキのメスがまだ活動していた。アリバチなのでメスには翅がない。
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(Data: 20171005; D500; AF-S VR Micro-Nikkor 105mm F2.8G )

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(Data: 20171006; 7DMarkII; Macro EF100mm F.2.8 IS)

 ついでに時鳥庵で9月に撮影したオスの写真も貼っておこう。オスはメスよりかなり大きく、翅があるうえ体全体が黒いのでメスとはずいぶん違う姿をしている。ちなみに時鳥庵でもメスは採集しているが、撮影はできていない。
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(Data: 20170902; 7DMarkII; Macro EF100mm F.2.8 IS)

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(Data: 20170905; 7DMarkII; Macro EF100mm F.2.8 IS)


by jichouan | 2017-10-07 16:57 | 昆虫 | Comments(0)
2017年 09月 25日

ニホンキバチ・・・


 大きなキバチのメスがいた。どうやら針葉樹に寄生するニホンキバチのようだ。体長は4cm近くあるだろうか。色は暗褐色で橙黄色の斑紋を持ち、どことなくスズメバチ類に似ている。キバチ類は幼虫が材を食べて育つ刺さないハチだ。スズメバチに似ることによって身を守っているのかもしれない。ただ、この幼虫が寄生した木材は質が落ちるらしく、林業害虫として知られている。ところが、それほど多くはない。あまり見かけないのだ。
 時鳥庵ではクロヒラアシキバチに次いで2種目となる。
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(Data: 20170920; 7DMarkII; Macro EF100mm F.2.8 IS)

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(Data: 20170921; D500; AF-S VR Micro-Nikkor 105mm F2.8G )


by jichouan | 2017-09-25 16:44 | 昆虫 | Comments(0)
2017年 08月 29日

ムネアカアリバチ・・・


 ここ数日、時鳥庵の温室横でアリバチの一種のメスを時々みかける。アリバチの仲間のメスは翅がなく、アリに似て地面を歩いているのを見ることが多い。ところが、今回は草むらの葉の上を、何か探索するように歩いているのをよく見るのだ。調べてみるとどうやらムネアカアリバチのようだ。体長は8mm前後。ちょこちょこと結構速く歩くのでなかなか撮影は難しい。ずっとファインダーをのぞきながら追いかけていると一瞬立ち止まる時がある。それがシャッターチャンスだ。これを追いかけるのはちょっとストレスがたまる。
 オスには翅があってメスとは形態的にずいぶん異なる。メスがこれだけいるのだからオスはいないかと探しているがいまだに見つからない。この仲間の幼虫はハナバチ類やクモバチ類などほかのハチの幼虫や蛹に寄生して育つのだが、すべての種で宿主が判明しているわけではない。
 
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(Data: 20170827; 7DMarkII; Macro EF100mm F.2.8 IS)
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(Data: 20170828; 7DMarkII; Macro EF100mm F.2.8 IS)
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(Data: 20170829; 7DMarkII; Macro EF100mm F.2.8 IS)

 同定のため採集しようとするとこれがまた難しい。ちょっと草むらが揺れると落ちてしまうのだ。落ちるともう見つからない。草むらのため捕虫網で受けようとするのだがうまくいかない。それでもいくつかを採集したが、別の種が1♀混じっていた。それはまだ同定できていない。ちなみにこの仲間はスズメバチと同じスズメバチ上科に属し、メスは刺すので捕まえるときは注意が必要だ。

by jichouan | 2017-08-29 20:18 | 昆虫 | Comments(0)
2016年 06月 10日

続・ニホンヒラタタマバチの面白い生態....

 今回紹介するのはクロヒラアシキバチの大きなメスに馬乗りになったニホンヒラタタマバチのオスだ。動き回るクロヒラアシキバチをものともせず、振り落とされてもまたしがみつく、これを数分間は続けていたのだ。大きさも形も色も違うので、まさか同種のメスと間違えることもないだろうに・・・・
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(Data: 20160526; D7000; AF-S VR Micro-Nikkor 105mm F2.8G)
 特にどうということはないのかもしれないが、なんとなく面白い光景に見えたので・・・

 それから、前の報告の追加だが、メスもけんかの前にオスと全く同じ威嚇姿勢を取るのを観察したので、その写真もアップしておく。
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(Data: 20160610; D7000; AF-S VR Micro-Nikkor 105mm F2.8G)
 手前から迫る個体もメスである。つまり、これもメス対メスのけんかだ。当然この後すぐけんかになって両方とも枯れ木から転げ落ちていった・・・・

by jichouan | 2016-06-10 18:59 | 昆虫 | Comments(0)
2016年 06月 09日

ニホンヒラタタマバチの面白い生態....

 このハチの観察を続けていてひとつ気がついたことがある。それは仲間同士ですぐけんかをすることだ。2匹が出会うと威嚇をし、すぐ取っ組み合いを始めるのだ。取っ組みあった瞬間に両者とも枯れ木から落っこちてしまうので、その勝敗は分からない。しかもオス同士のけんかだけではなく、メス同士でもすることがある。オスとメスではまだ観察していない。どうやら、触角が欠けていたり、翅が破けていたり、脚が一部なかったり、つまり傷ついた個体が多いのはこのせいかもしれない。
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(Data: 20160526; D7000; AF-S VR Micro-Nikkor 105mm F2.8G)
 オス同士がにらみ合っている。威嚇の姿勢を取っている。

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(Data: 20160529; D7000; AF-S VR Micro-Nikkor 105mm F2.8G)
 オスの威嚇姿勢。中脚と後脚で踏ん張り前脚を持ちあげている。いつでも来い!といったところか・・・

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(Data: 20160531; D7000; AF-S VR Micro-Nikkor 105mm F2.8G)
 取っ組み合いが始まるとたいていは両者ともそのまま枯れ木から落ちてしまう。一瞬の出来事だ。

 今回はメス同士のけんかも観察できた。
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(Data: 20160529; D7000; AF-S VR Micro-Nikkor 105mm F2.8G)
 中央の産卵中のメスにほかのメスが近づいてきて(上の写真)、そのままけんかになった。けんかそのものはオス同士のけんかとたいして変りはない。

by jichouan | 2016-06-09 18:30 | 昆虫 | Comments(0)
2016年 06月 06日

ニホンヒラタタマバチの産卵....

 時鳥庵ではこの20日間ほどニホンヒラタタマバチの個体数は多かった。特に5月20日ころにはかなりの密度で見られた枯れ木もあった。しかし、ここへきてかなり減ってしまった。その間、毎日観察したのだが、いろんなことが分かった。今日はそのうち産卵を観察できたのでそれをアップしておく。
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(Data: 20160602; D7000; AF-S VR Micro-Nikkor 105mm F2.8G)
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(Data: 20160529; D7000; AF-S VR Micro-Nikkor 105mm F2.8G)
 3枚目は産卵中を正面から撮ったもの。面白い写真になった。顔の下にまっすぐ伸びる産卵管が・・・

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(Data: 20160529; D7000; AF-S VR Micro-Nikkor 105mm F2.8G)
 この3枚は時系列に並べたもの。まず、尾端にある産卵管の先を材の表面に突き刺す(上の写真)。その後、腹部をずらすことによって産卵管は腹部から離れ徐々に立ちあがるのだ(中央と下の写真)。

by jichouan | 2016-06-06 09:37 | 昆虫 | Comments(0)
2016年 06月 02日

クロヒラアシキバチの産卵....

 今回はクロヒラアシキバチの産卵を観察できた。いずれも午前中だった。
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(Data: 20160526; D7000; AF-S VR Micro-Nikkor 105mm F2.8G)
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(Data: 20160526; D7000; AF-S VR Micro-Nikkor 105mm F2.8G)
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(Data: 20160529; D7000; AF-S VR Micro-Nikkor 105mm F2.8G)
 上の写真の内、下の2枚の写真に注目してほしい。産卵中のメスに交尾しようとしているオス。交尾は成功するのか?下から2枚目の写真のメスは、この後、やってきた他のメス(左上にせまっているのがちょっと見える)に邪魔されてオスは離れて行ったが、産卵は続いた。

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(Data: 20160526; D7000; AF-S Micro-Nikkor 60mm F2.8G)
 この3枚の写真は時系列に並べたものだが、産卵管が徐々に深くまで差し込まれていくのが分かる。産卵管は深く差し込まれたり浅くまで引き抜かれたりを繰り返す。そのまま邪魔が入らなければ数時間続くこともある。

by jichouan | 2016-06-02 05:29 | 昆虫 | Comments(0)