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時鳥庵晴耕雨読

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2019年 07月 20日

ガガンボモドキの一種・・・


 時鳥庵の温室横でぶらぶらしていると、下草の葉裏から時々ひらひら飛んではまた他の葉裏にとまるガガンボに似た昆虫によく出会う。とまる時は必ず前脚と中脚で葉や蔓などにぶら下がるようにとまるのだ。面白いのはその頭部の形で、前方に長く伸びてその先端に口器がある。これはシリアゲムシのそれによく似ている。
 この昆虫はシリアゲムシと同じ長翅目(=シリアゲムシ目)に所属するガガンボモドキの一種だ。脚が長く一見ガガンボのようにも見えるが立派な翅が4枚ある。ガガンボは双翅目(=ハエ目)なので翅は2枚だ。このガガンボモドキ、交尾行動がかなり面白いらしいのだが、まだそこまでは観察していない。個体数は多いのでその内観察してみたいと思っている。
ガガンボモドキの一種・・・_a0342569_09145763.jpg
(7DMarkII; Macro EF100mm F.2.8 IS)
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(OM-D EM-1 Mark II;  M. Zuiko Digital ED 60mm F2.8 Macro)


# by jichouan | 2019-07-20 09:16 | 昆虫
2019年 07月 18日

オオヒラタエンマムシ・・・


 6月末に時鳥庵のコナラの幹でオオヒラタエンマムシを見つけた。平べったい体に漆塗りのような黒い光沢を持った、6~8mmほどの甲虫だ。それほど多くはないと思う。私も久しぶりに見たのだ。ところがその後、そのコナラから5mほど離れた所にあるフジの伐採木に複数が付いているのを見つけた。多い時は5~6匹。少なくても2~3匹。これは同じ個体がずっといるのかもしれないのでつまんでおいた。それでもやはり翌日か翌々日にはまた2~3匹がいるのだ。それもつまんでおく。それでもまたいる。これを繰り返している間に結構な数が集まってしまった。
 なぜこの木だけに集まるんだろう。エンマムシの多くはハエの幼虫などを食べる食肉性だという。そこで気が付いたのだが、このフジの伐採木に春先からあるハエ目の昆虫が常に集まっていたのだ。今も結構いる。それはモモブトホソバエ科のクロフトモモホソバエだ。ひょっとするとこのハエの幼虫を食べに集まっているのかもしれない。
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オオヒラタエンマムシ


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フジ伐採木上で交尾するクロフトモモホソバエ

(OM-D EM-1 Mark II;  M. Zuiko Digital ED 60mm F2.8 Macro)


# by jichouan | 2019-07-18 20:24 | 昆虫
2019年 07月 09日

アカマダラハナムグリ・・・


 時鳥庵で夜クヌギの樹液を見回っていたらアカマダラハナムグリがいた。我が町内では2匹目になる。1匹目は10数年前で、時鳥庵からはちょっと離れたところのコナラの樹液に昼間来ていた。時鳥庵の庭からはこれが初めてだ。山梨県あたりでは多産するようだが、栃木県ではそれほど多くなく、県のレッドデータブックでは準絶滅危惧種に指定されている。幼虫はハチクマなど猛禽類の巣で育つというのだが、この辺りではオオタカとサシバが多い。彼らの巣にいるのだろうか?
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(7DMarkII; Macro EF100mm F.2.8 IS)


# by jichouan | 2019-07-09 07:29 | 昆虫
2019年 07月 02日

アトコブゴミムシダマシ・・・


 奥日光で立ち枯れの表面に鎮座していた。あまり多くはないが、奥日光では時々出会う。この変な格好の甲虫を見ると思いだすのは、かれこれ20年ほど前になるだろうか。山梨県の金山平へ学生とともに野外実習に出かけた時のことだ。昆虫の調査は初めてという一人の男子学生が「装甲車のような甲虫を採りました!」というのを聞いて、すぐにアトコブゴミムシダマシではないかと思ったものだ。はたしてそれは大当たりだった。種を明かすと、それまでも仲間内では良くこの甲虫のことを「装甲車」と呼んでいたのだ。本当に面白い形をしている。
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(OM-D EM-1 Mark II;  M. Zuiko Digital ED 60mm F2.8 Macro)


# by jichouan | 2019-07-02 08:32 | 昆虫
2019年 06月 28日

イワタシギクサアブ・・・


 毎年6月中旬になると時鳥庵の温室横にちょっと珍しいアブが現れる(その年の気候により初見日には多少のずれがある)。クサアブ科のイワタシギクサアブだろうと思っているが、所属するDialysis属の分類はまだ検討が必要との意見もあるようだ。それほど多くはないがこの時期なら探せば必ず見つかる程度はいるので、少なくもないようだ。中山恒友さんの虫の棲む星によれば、栃木県からは4種のクサアブが記録されているらしく、どれも稀らしい。その内1種はネグロクサアブで、それはすでに報告した(その記事はこちら)。
 草の葉の上に静止しているのを探すのだが、案外敏捷で、近づくと飛び立ってしまうことが多い。6月も後半になると交尾をしているカップルも見かけるようになる。また、7月に入ると急激にその数を減らせてしまう。出現期が短いのだ。脚の色彩には多少の変異があるようで、特にメスでは暗化の傾向があるようだ。
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(D500; AF-S VR Micro-Nikkor 105mm F2.8G )
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メス。メスの複眼間はやや離れる。

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オス。オスの複眼間は接近する。

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交尾。左がメス。

(OM-D EM-1 Mark II;  M. Zuiko Digital ED 60mm F2.8 Macro)


# by jichouan | 2019-06-28 12:24 | 昆虫