時鳥庵晴耕雨読

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カテゴリ:昆虫( 158 )


2018年 06月 04日

コナラ倒木上の昆虫類(その1・サッポロオナガバチ)


 時鳥庵の温室横にコナラの倒木がここ何年かそのまま放置してある。天気の良い日には毎日一度はそれを覗きに行く。なんらかの甲虫類やハチ類がいることが多く目が離せないのだ。
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温室横にあるやや古いコナラの倒木

 まず目につくのがオナガバチの仲間だ。倒木上を何かを探すように歩きまわるメスがよく目立つが、オスはあまりいない。メスは触角の先端で倒木の表面を探りながら歩いているのだ。おそらく倒木の中にいる何らかの昆虫(おそらく幼虫)の所在を探っているのだろう。そうなのだこのハチの幼虫は他の昆虫の幼虫に捕食寄生して育つのだ。だからメスは寄主になる昆虫の幼虫を探し、それに長い産卵管を使って卵を産みつけるのだ。産卵中のメスを見ることもある。しかも、このハチ類は複数種が共存しているから面白い。
 手始めに今回紹介するのはヒメバチ科オナガバチ亜科のサッポロオナガバチ Epirhyssa sapporensis だ。この倒木に来るハチの中ではもっとも個体数が多い。産卵中のメスも結構観察できた。
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触角を使って倒木中の寄主を探索するメス

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寄主を見つけたのだろう。産卵管を差し込む。

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産卵管はさらに深くまで差し込まれる。この種では産卵管を差し込んでいる間に産卵管の鞘は引き抜かれる。

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産卵が終わったのか、産卵管を徐々に引き抜く

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産卵管は完全に引き抜かれ、鞘に収まる

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倒木上のオス

(OM-D EM-1 Mark II;  M. Zuiko Digital ED 60mm F2.8 Macro)

 ハチ類の同定は神奈川県立生命の星・地球博物館の渡辺恭平博士にお願いした。博士によるとサッポロオナガバチの寄主は判明していないようだ。

by jichouan | 2018-06-04 09:28 | 昆虫 | Comments(0)
2018年 05月 30日

キノコゴミムシ・・・


 時鳥庵の庭で面白いゴミムシを見つけた。キノコゴミムシ(=オオキノコゴミムシ)だ。真っ黒の体に美しい橙黄色の斑紋がある。実は以前から時鳥庵にこの種がいることは知っていた。それは夜間窓の灯りに飛んできたことが2度ほどあったからだ。その時は2度とも壁にとまっていたのだが、近づくとポロっと落ちてしまって、撮影も採集もできなかった。それほど多い種ではないので、ちょっと悔しく思っていた。今回は夜間コナラの樹液に来ているのを見つけることができた。懐中電灯の光をあてると、その橙黄色の斑紋が目に飛び込み、美しさにしばらく見とれたほどだ。交尾も観察できた。
 問題はこの橙黄色の斑紋だ。実はこのような斑紋はキノコや倒木、枯れ木に集まる甲虫の中にグループを超えてよく現れる斑紋パターンなのだ。ゴミムシ科とは遠い関係のオオキノコムシ科、ナガクチキムシ科、ケシキスイ科などに見られるのがよく知られている。それ以外にもシデムシ科やデオキノコムシ科にも似たような斑紋をもつ種が知られている。さて、この斑紋パターンにいったいどういう意味があるのだろうか。これもミュラー型の擬態だろうか。それともベーツ型の擬態だろうか。興味は尽きない。
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樹液の出たコナラの幹にいたキノコゴミムシ

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右上はヨツボシケシキスイ。よく似た斑紋が・・・

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キノコゴミムシの交尾

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時鳥庵でよく見かけるオオキノコムシの一種。おそらくヒメオビオオキノコだろう

(OM-D EM-1 Mark II;  M. Zuiko Digital ED 60mm F2.8 Macro)


by jichouan | 2018-05-30 19:46 | 昆虫 | Comments(0)
2018年 05月 28日

ヒシカミキリ・・・


 時鳥庵の雑木林にはあちこちに枯れ枝が積み上げてある。強い風が吹いたりすると大量の枯れ枝が林床に落ちる。それらをかたずけた結果だ。昔なら良い燃料になったのだろうが・・・。そんな枯れ枝を見て回ると、それほど数は多くないがいろんな昆虫が見つかる。今回紹介するのはヒシカミキリだ。とにかく小さい。体長は3-4㎜ほどで、おそらく日本産のカミキリムシの中では最小クラスだ。それが細い枯れ枝上をせわしなく走りまわっているのをよく見かける。結構速く走りまわっているので、撮影は困難だ。休んでいる個体を探して何とか撮影する。それに対して交尾をしているペアはあまり動かず撮影しやすい。体が小さくてもしっかりカミキリムシの形をしている。
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(OM-D EM-1 Mark II;  M. Zuiko Digital ED 60mm F2.8 Macro)


by jichouan | 2018-05-28 16:20 | 昆虫 | Comments(0)
2018年 05月 26日

ムカシヤンマの産卵・・・


 昨日から朝酒(?庵主は自由人なのだ)をやめて、朝一番に行っている所がある。歩いて40分くらい(途中で他の昆虫の観察などをしているので、庵主の足では最短でも1時間半くらいはかかる)の所にムカシヤンマの繁殖地と思われるところがあって、そこに行っているのだ。車でも行けなくはないが、運動のために歩いて行っている。そこは道脇の何でもないところだが、湧水というほどではないものの、水がしみ出している所で、今の時期、常にムカシヤンマのオスがなわばり行動をとっている。そこを見つけたのは去年で、発生期にはいつ行ってもオスがいるので、きっとここで待っているとメスが来るだろうと見当をつけたのだ。昨年オスはずいぶん観察したが、メスは一度しか見ていないので、今年はぜひもっと見たいと思っていたのだ。
 朝10時半頃にそこに着いたのだが、案の定、一匹のオスがなわばり行動をとっていた。日当たりのよい所にとまり、他のオスが来るとそれを追い払うのだ。それをなんとなく見ていると、メスらしいのが飛んできたと思うと、オスはそれにすぐ反応し、何と連結してどこかに飛び去ってしまったのだ。同じようなことが続いた。そこで庵主自身がその場所になわばり(?)をはることにした。つまりそこに来るオスをすべて追い払うことにしたのだ。これは結構大変で、追い払ってもすぐに次のオス(同じオスかもしれないが)がやって来る。それでも、そんなことを繰り返しているうち、突然、メスがやって来て、なんと産卵を始めたのだ。結局2日間で4回産卵に来たメスを観察できた。良かった、良かった!
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ここに水がしみ出していた

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(7DMarkII; Macro EF100mm F.2.8 IS)

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(OM-D EM-1 Mark II;  M. Zuiko Digital ED 60mm F2.8 Macro)


by jichouan | 2018-05-26 20:44 | 昆虫 | Comments(0)
2018年 05月 24日

サラサヤンマ・・・


 時鳥庵入口の路上でサラサヤンマのオスが摂食飛翔していた。なわばり飛翔と違ってホバーリングなどせず、せわしなく行ったり来たりしていたのだ。時々他の昆虫が飛んでくると素早くそれを追いかける、そんな行動を20分くらい続けていただろうか。時鳥庵では初めて見るヤンマなので何とか撮影できないか、マニュアルフォーカスでチャレンジしてみた。飛翔が速いのでなかなかうまくいかない。100枚ほど撮影したが、何とか見れるのは4カットしかなかった。もっとも写ってないだろうと思っていたので、ちょっと良い気分。
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(7DMarkII; Macro EF100mm F.2.8 IS)


by jichouan | 2018-05-24 17:32 | 昆虫 | Comments(0)
2018年 05月 22日

ハイイロヤハズカミキリ・・・


 夜間、例のコメツキモドキを観察するために切ったメダケを積んだ所に行くと、まず目につくのはこのカミキリだ。結構どこにでもいるカミキリだが、昼間目にすることはそれほど多くはない。ところが、夜、枯れたメダケを見て回ると結構活動していて、簡単に見つかる。これまでも時鳥庵では時々見かけたが、こんなにいっぱいいるのかと驚いた。
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(OM-D EM-1 Mark II;  M. Zuiko Digital ED 60mm F2.8 Macro)


by jichouan | 2018-05-22 08:36 | 昆虫 | Comments(0)
2018年 05月 17日

ニホンホホビロコメツキモドキ(その3・交尾と産卵)


 夜間の観察では交尾をしているペアを頻繁に観察できた。大きなメスに小さなオス、反対に小さなメスに大きなオスの交尾もあって面白い。
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大きいメスと小さいオスの交尾

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小さいメスと大きいオスの交尾

 交尾が終わるとメスは産卵のための孔を穿つ。オスがそれに付き添っていることが多く、中には交尾しながら孔を穿つメスもいる。何度も孔の上下(あるいは左右)に体を入れ替えながらの作業だ。
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孔を穿つメス

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交尾しながら孔を穿つメス

 孔がある程度深くなったところでいよいよ産卵だ。
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産卵するメス

(OM-D EM-1 Mark II;  M. Zuiko Digital ED 60mm F2.8 Macro)

 ただこの昆虫、成虫の発生期は短いようで、連休のころをピークに個体数はかなり減ってきた。多かったのは1週間ほどだった。再発見が遅れたのはこのことも影響しているのだろう。

by jichouan | 2018-05-17 18:12 | 昆虫 | Comments(0)
2018年 05月 13日

ネジロカミキリ・・・


 山菜として人気のあるタラ。その芽はてんぷらにするとおいしい。その芽を採るときに先端の芽だけを採り、後を残しておかないと枯れてしまうので注意が必要だ。これを守っている限り来年も同じ木から芽を採ることができる。ところが、最近はすべての芽をとる人が多く、枯れたタラを多く見かけるのだ。
 それは困ったことなのだが、いいこともある。枯れたタラに集まる、ちょっといいカミキリムシがいるのだ。ネジロカミキリは6~8㎜位の小さなカミキリムシながら、鞘翅の基部半分に毛が密生してできた白紋があって、結構美しいカミキリだ。ただ、それほど多くはない。この時期時鳥庵周辺で枯れたタラを見て回ると時々この愛らしいカミキリムシがついているのだ。目印の鞘翅の白紋がちょっとすれている個体がいくつか見られたが、発生期のピークをすでに過ぎているからだろうか。
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(OM-D EM-1 Mark II;  M. Zuiko Digital ED 60mm F2.8 Macro)


by jichouan | 2018-05-13 10:47 | 昆虫 | Comments(0)
2018年 05月 07日

ミズアブの一種 Beris hirotsui ・・・


 ここのところ時鳥庵の温室横でるり色の美しいミズアブを頻繁に見かける。小さな種類だが数が多くよく目立つ。大きさは6・7㎜ほどだろうか。陽の当らないアオキなどの葉にとまっていることが多い。撮影してモニターで拡大すると、これがまた面白い形態をしていた。小楯板に6本のよく発達した角状の突起が並んでいる。さらにその外側にはそれより短い突起が見える。また後脚の付節第一節が少し膨らんでいる。これらの特徴から調べてみると、どうやらミズアブ科の Beris hirotsui という種類らしいことが分かった。同属のヒゲブトルリミズアブによく似ているが脚の色彩が違う。
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オス。オスの左右の複眼は接近する

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メス。メスの左右の複眼は離れる

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小楯板に6本の角状の突起がある

(OM-D EM-1 Mark II;  M. Zuiko Digital ED 60mm F2.8 Macro)


by jichouan | 2018-05-07 17:43 | 昆虫 | Comments(1)
2018年 05月 04日

ニホンホホビロコメツキモドキ(その2・闘争)


 この昆虫を珍しいと思っていた庵主はアホでした。今まで見つけられなかったのは、適当な探索しかしていなかったからだろう。結構たくさんいるのだ。特に夜間見回ると普通に見られるのだ。これには驚いた。
 とにかく、切ったメダケの積んであるところを見ると、夜間なら隠れずに歩きまわっていることもある。そんな光景を観察している時に、出会いがしらにオス同士が喧嘩を始めたのだ。その結果がどうなったのかは分からない。両者ともにメダケから落下したからだ。この闘争はある程度激しく、画像をよく見ると左のオスが右のオスの脚に噛みついているのが分かる。
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(OM-D EM-1 Mark II;  M. Zuiko Digital ED 60mm F2.8 Macro)


by jichouan | 2018-05-04 08:51 | 昆虫 | Comments(0)