時鳥庵晴耕雨読

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カテゴリ:昆虫( 143 )


2018年 06月 20日

ルリヒラタムシ・・・


 奥日光の森にはルリヒラタムシは普通にいる。この時期、林内で飛翔しているのを結構よく見る。今回は針葉樹の立ち枯れに、ちょっとしたくぼみがあってその中でルリヒラタムシが交尾をしていた。側面から見るとなるほど平たい。
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(OM-D EM-1 Mark II;  M. Zuiko Digital ED 60mm F2.8 Macro)

 通常は樹皮下にいるのだろうがどうしてこんなところで交尾しているんだろう。もっとも樹皮下の狭い隙間では交尾もままならないか。そんな事を思いながら見ていると一旦交尾を解いてくぼみから出てきた。
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(OM-D EM-1 Mark II;  M. Zuiko Digital ED 60mm F2.8 Macro)

 交尾を解いたのだが頭部は重なり合ったままなので、よく見るとオスが大顎でメスの触角の根元に噛みついている。
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(OM-D EM-1 Mark II;  M. Zuiko Digital ED 60mm F2.8 Macro)

 その後また交尾を始めたが、やはりオスはメスの触角に噛みついたままだ。
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(7DMarkII; Macro EF100mm F.2.8 IS)

 それにしてもやはり平たい。もともと山地帯に棲んでいるのだが、最近はずいぶん数が減ったように思う。それでも奥日光では個体数は多く、いまだ健在なのが嬉しい。

by jichouan | 2018-06-20 09:48 | 昆虫 | Comments(0)
2018年 06月 14日

カタビロオサムシのなかま・・・


 今週も奥日光に行ってきたのだが、某所ではカタビロオサムシのなかまが大発生していた。よく東北地方などでブナの葉を食い荒らすブナアオシャチホコの幼虫が大発生するのに合わせて、その天敵であるクロカタビロオサムシが大量に発生する話を聞く。今回もこれに似たケースで、少なくとも3種の鱗翅類の幼虫(未同定)が大量に発生していた。ではどのくらいこのオサムシが発生しているかというと、ほんの30分ほどの滞在中に12匹を拾い、数匹の踏みつぶされた個体を確認できたのだ。これは結構大量に発生していると考えてよいのではないか。
 問題は、そのオサムシの種類だ。時鳥庵に戻り、拾った12匹のオサムシを並べてみて、「おや」と思った。時鳥庵にもいるクロカタビロオサムシなのだが、少し感じの違うやつが混じっているような気がした。そこでその感じの違うやつをより分けて並べ変えたのが次の画像だ。
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 左の3♀1♂はおそらくクロカタビロオサムシで間違いないと思う。より分けた右の1♀7♂は、一様にやや小さくごく弱いが銅色や緑色の光沢がある。また、腹端もより丸みがあって、庵主はこれらはアオカタビロオサムシだろうと思っている。どうだろう。もっとも、オスの交尾器を調べれば確実な同定ができるのだが、庵主の老眼ではちょっとそれをとり出すのはきびしい。もし、この素人同定が正しければクロカタビロオサとアオカタビロオサの同時大量発生ということになる。そんな記録は過去にあるのだろうか。
 現地で撮影した画像も貼っておこう。
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(OM-D EM-1 Mark II;  M. Zuiko Digital ED 60mm F2.8 Macro)
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(7DMarkII; Macro EF100mm F.2.8 IS)
鱗翅目の幼虫を捕食するクロカタビロオサムシのメス

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(OM-D EM-1 Mark II;  M. Zuiko Digital ED 60mm F2.8 Macro)
地面を歩くアオカタビロオサムシと思われるオス



by jichouan | 2018-06-14 18:00 | 昆虫 | Comments(0)
2018年 06月 12日

コナラ倒木上の昆虫類(その2・キスジクチキヒメバチ)


 その日も午前中サッポロオナガバチのメスが産卵をしていた。数時間後の午後3時ころに行ってみるとまだ同じ場所で産卵をしているではないか。こんなに長い時間かかるのもおかしいと思いつつ、数枚写真だけは撮っておいた。それを持ち帰りモニターで拡大してみて驚いた。サッポロオナガバチとは顔が違うのである。つまり違う種に入れ替わって同じ場所で産卵していたのだ。
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上がサッポロオナガバチ、下は入れ替わっていた種

(OM-D EM-1 Mark II;  M. Zuiko Digital ED 60mm F2.8 Macro)

 これはもう少し良く見ないとと思い、再びカメラを持って倒木まで引き返し、じっくり撮影したのが今回掲載した画像だ。渡辺恭平博士によりこれはヒメバチ科クチキヒメバチ亜科のキスジクチキヒメバチ Cnastis vulgaris と同定された。博士によるとこの種の寄主としてセミスジコブヒゲカミキリが記録されているが、おそらく寄主範囲はもっと広いだろうとのことであった。ちなみにこの倒木からは今のところカミキリはゴマフカミキリしか見つけていない。サッポロオナガバチとは亜科が異なるがぱっと見はよく似た形態をしており、きっと似たような生活をしているのだろう。産卵管を差し込み始めてからそれを抜くまでの画像を貼っておく。
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(OM-D EM-1 Mark II;  M. Zuiko Digital ED 60mm F2.8 Macro)

 サッポロオナガバチでは産卵管が差し込まれている間に鞘が抜かれるのだが、本種では産卵管と同時に鞘も引き抜かれる。

by jichouan | 2018-06-12 13:24 | 昆虫 | Comments(0)
2018年 06月 09日

アラメハナカミキリ・・・


 奥日光に行ってきた。ちょっと早いかな、と思っていたのだが針葉樹の立ち枯れを見て回ると、もうすでにアラメハナカミキリが出ていた。昼前後に1♀4♂を確認できた。
 このカミキリは名前通り鞘翅に独特の凹凸がある。色彩もちょっとシブくて、ブロンズのようで、微妙な光沢がある上、黄色の帯がその質感をさらに高めている。どこにでもいるわけではないので、収集家が目の色を変えて捜すのも何となくわかる気がする。
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(7DMarkII; Macro EF100mm F.2.8 IS)
立ち枯れ上を歩きまわり、やがて産卵を始めたメス

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(7DMarkII; Macro EF100mm F.2.8 IS)
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(OM-D EM-1 Mark II;  M. Zuiko Digital ED 60mm F2.8 Macro)
立ち枯れ上のオス



by jichouan | 2018-06-09 04:56 | 昆虫 | Comments(0)
2018年 06月 07日

オオミドリシジミのなわばり・・・


 1週間ほど前に気付いたのだが、朝8時半ごろになると時鳥庵の窓の外に、何やらちらちらと光るものがすばやく、ぐるぐる回るように飛んでいるのが見える。ちょうど朝食をとっているころだ。ときには二つの飛翔物体が互いに追いかけるような飛び方もする。すぐに、これはオオミドリシジミのなわばり飛翔だと分かった。窓を開け外に出て確認すると、1匹のオスが庵の軒より少し上にある、ちょっと張り出したヒノキの枝先にとまっていた。時折周囲を飛び回っては、またもとの位置、あるいはその近くにとまる。そして他のオスが来ると、それを追い回し、またもとの位置に戻る。この時戻ったのはもとのオスかどうかは分からないのだが。やはりなわばり飛翔のようだ。なぜ、今まで気付かなかったんだろう。でも、家の中にいながら毎朝飛翔を見れるのだから、良しとしよう。
 このオオミドリシジミ、クヌギやコナラが食樹で、最近はかなり減ったというのだが、時鳥庵ではここのところ晴れた日には毎朝見られる。ただ、とまっているのは軒より高いところで、ほとんど下に降りてこないので撮影はできない。画像は昼間たまたま割と低い位置のクリの葉にとまったところを写したものだ。
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(7DMarkII; Macro EF100mm F.2.8 IS)


by jichouan | 2018-06-07 11:14 | 昆虫 | Comments(0)
2018年 06月 04日

コナラ倒木上の昆虫類(その1・サッポロオナガバチ)


 時鳥庵の温室横にコナラの倒木がここ何年かそのまま放置してある。天気の良い日には毎日一度はそれを覗きに行く。なんらかの甲虫類やハチ類がいることが多く目が離せないのだ。
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温室横にあるやや古いコナラの倒木

 まず目につくのがオナガバチの仲間だ。倒木上を何かを探すように歩きまわるメスがよく目立つが、オスはあまりいない。メスは触角の先端で倒木の表面を探りながら歩いているのだ。おそらく倒木の中にいる何らかの昆虫(おそらく幼虫)の所在を探っているのだろう。そうなのだこのハチの幼虫は他の昆虫の幼虫に捕食寄生して育つのだ。だからメスは寄主になる昆虫の幼虫を探し、それに長い産卵管を使って卵を産みつけるのだ。産卵中のメスを見ることもある。しかも、このハチ類は複数種が共存しているから面白い。
 手始めに今回紹介するのはヒメバチ科オナガバチ亜科のサッポロオナガバチ Epirhyssa sapporensis だ。この倒木に来るハチの中ではもっとも個体数が多い。産卵中のメスも結構観察できた。
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触角を使って倒木中の寄主を探索するメス

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寄主を見つけたのだろう。産卵管を差し込む。

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産卵管はさらに深くまで差し込まれる。この種では産卵管を差し込んでいる間に産卵管の鞘は引き抜かれる。

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産卵が終わったのか、産卵管を徐々に引き抜く

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産卵管は完全に引き抜かれ、鞘に収まる

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倒木上のオス

(OM-D EM-1 Mark II;  M. Zuiko Digital ED 60mm F2.8 Macro)

 ハチ類の同定は神奈川県立生命の星・地球博物館の渡辺恭平博士にお願いした。博士によるとサッポロオナガバチの寄主は判明していないようだ。

by jichouan | 2018-06-04 09:28 | 昆虫 | Comments(0)
2018年 05月 30日

キノコゴミムシ・・・


 時鳥庵の庭で面白いゴミムシを見つけた。キノコゴミムシ(=オオキノコゴミムシ)だ。真っ黒の体に美しい橙黄色の斑紋がある。実は以前から時鳥庵にこの種がいることは知っていた。それは夜間窓の灯りに飛んできたことが2度ほどあったからだ。その時は2度とも壁にとまっていたのだが、近づくとポロっと落ちてしまって、撮影も採集もできなかった。それほど多い種ではないので、ちょっと悔しく思っていた。今回は夜間コナラの樹液に来ているのを見つけることができた。懐中電灯の光をあてると、その橙黄色の斑紋が目に飛び込み、美しさにしばらく見とれたほどだ。交尾も観察できた。
 問題はこの橙黄色の斑紋だ。実はこのような斑紋はキノコや倒木、枯れ木に集まる甲虫の中にグループを超えてよく現れる斑紋パターンなのだ。ゴミムシ科とは遠い関係のオオキノコムシ科、ナガクチキムシ科、ケシキスイ科などに見られるのがよく知られている。それ以外にもシデムシ科やデオキノコムシ科にも似たような斑紋をもつ種が知られている。さて、この斑紋パターンにいったいどういう意味があるのだろうか。これもミュラー型の擬態だろうか。それともベーツ型の擬態だろうか。興味は尽きない。
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樹液の出たコナラの幹にいたキノコゴミムシ

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右上はヨツボシケシキスイ。よく似た斑紋が・・・

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キノコゴミムシの交尾

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時鳥庵でよく見かけるオオキノコムシの一種。おそらくヒメオビオオキノコだろう

(OM-D EM-1 Mark II;  M. Zuiko Digital ED 60mm F2.8 Macro)


by jichouan | 2018-05-30 19:46 | 昆虫 | Comments(0)
2018年 05月 28日

ヒシカミキリ・・・


 時鳥庵の雑木林にはあちこちに枯れ枝が積み上げてある。強い風が吹いたりすると大量の枯れ枝が林床に落ちる。それらをかたずけた結果だ。昔なら良い燃料になったのだろうが・・・。そんな枯れ枝を見て回ると、それほど数は多くないがいろんな昆虫が見つかる。今回紹介するのはヒシカミキリだ。とにかく小さい。体長は3-4㎜ほどで、おそらく日本産のカミキリムシの中では最小クラスだ。それが細い枯れ枝上をせわしなく走りまわっているのをよく見かける。結構速く走りまわっているので、撮影は困難だ。休んでいる個体を探して何とか撮影する。それに対して交尾をしているペアはあまり動かず撮影しやすい。体が小さくてもしっかりカミキリムシの形をしている。
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(OM-D EM-1 Mark II;  M. Zuiko Digital ED 60mm F2.8 Macro)


by jichouan | 2018-05-28 16:20 | 昆虫 | Comments(0)
2018年 05月 26日

ムカシヤンマの産卵・・・


 昨日から朝酒(?庵主は自由人なのだ)をやめて、朝一番に行っている所がある。歩いて40分くらい(途中で他の昆虫の観察などをしているので、庵主の足では最短でも1時間半くらいはかかる)の所にムカシヤンマの繁殖地と思われるところがあって、そこに行っているのだ。車でも行けなくはないが、運動のために歩いて行っている。そこは道脇の何でもないところだが、湧水というほどではないものの、水がしみ出している所で、今の時期、常にムカシヤンマのオスがなわばり行動をとっている。そこを見つけたのは去年で、発生期にはいつ行ってもオスがいるので、きっとここで待っているとメスが来るだろうと見当をつけたのだ。昨年オスはずいぶん観察したが、メスは一度しか見ていないので、今年はぜひもっと見たいと思っていたのだ。
 朝10時半頃にそこに着いたのだが、案の定、一匹のオスがなわばり行動をとっていた。日当たりのよい所にとまり、他のオスが来るとそれを追い払うのだ。それをなんとなく見ていると、メスらしいのが飛んできたと思うと、オスはそれにすぐ反応し、何と連結してどこかに飛び去ってしまったのだ。同じようなことが続いた。そこで庵主自身がその場所になわばり(?)をはることにした。つまりそこに来るオスをすべて追い払うことにしたのだ。これは結構大変で、追い払ってもすぐに次のオス(同じオスかもしれないが)がやって来る。それでも、そんなことを繰り返しているうち、突然、メスがやって来て、なんと産卵を始めたのだ。結局2日間で4回産卵に来たメスを観察できた。良かった、良かった!
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ここに水がしみ出していた

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(7DMarkII; Macro EF100mm F.2.8 IS)

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(OM-D EM-1 Mark II;  M. Zuiko Digital ED 60mm F2.8 Macro)


by jichouan | 2018-05-26 20:44 | 昆虫 | Comments(0)
2018年 05月 24日

サラサヤンマ・・・


 時鳥庵入口の路上でサラサヤンマのオスが摂食飛翔していた。なわばり飛翔と違ってホバーリングなどせず、せわしなく行ったり来たりしていたのだ。時々他の昆虫が飛んでくると素早くそれを追いかける、そんな行動を20分くらい続けていただろうか。時鳥庵では初めて見るヤンマなので何とか撮影できないか、マニュアルフォーカスでチャレンジしてみた。飛翔が速いのでなかなかうまくいかない。100枚ほど撮影したが、何とか見れるのは4カットしかなかった。もっとも写ってないだろうと思っていたので、ちょっと良い気分。
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(7DMarkII; Macro EF100mm F.2.8 IS)


by jichouan | 2018-05-24 17:32 | 昆虫 | Comments(0)