時鳥庵晴耕雨読

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カテゴリ:昆虫( 173 )


2019年 02月 06日

シリーズ・アザミウマを再開・・・


 ちょうど2年前、当ブログで庵主の専門分野であるアザミウマ類の記事を連載しようと試みたことがあった((その1)は2017年1月11日の記事)。3回掲載したのだが、その後は続かなかった。ちょうどいろんな雑用が舞い込んだのが主な原因だが、庵主の技量不足によってこの小さな昆虫を十分に撮影できなかったことも事実だ。今回、撮りためたアザミウマの写真が少しはたまったので、少しずつ掲載しようと思っている。すでに(その2)Bactrothrips pictipesと(その3)Bactrothrips flectoventrisの記事を掲載したのだが、それは削除することにし、新たに出なおすことにした。なお、(その1)はそのままとし、(その2)からの再開としたい。このような変則的な掲載になったことをお詫びする。また、庵主の低い技量のせいで画像は十分なものといえないかもしれないが、種の同定においては相当正確であると考える。

アザミウマ(その2、Bactrothrips pictipes


 さて、最初に取り上げるのはやはりBactrothrips pictipes Haga & Okajima(クダアザミウマ科オオアザミウマ亜科)だ。この種は主に関東以西の暖帯林に生息し、アカガシなどの枯れ葉に生息するが、今の所南西諸島からは得られていない。アカガシの枯れ葉には同属の別種、B. brevitubusB. honorisなども同時に生息することが多く、その同定は一般の人には案外難しいのだろう。実際にはメス成虫の腹部末端付近にあるBournier器という器官の形状を見れば簡単に同定できるのだが、これを見るためには解剖など結構な技術が必要で一般的にはあまり現実的ではない。だが、庵主の場合は相当数の標本を見てきたので、頭部の形だけでも正確にわかれば同定は可能だ。
 本種は庵主の住む関東では三浦半島あたりの暖帯林で見られる。腹部の両側が赤く美しい。この赤い色彩はB. brevitubusではほとんど見られないが、B. honorisでは同じように見られる。
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(7DMarkII; MP-E 65mm F.2.8 Macro Photo)
一番下の画像がメス、他はオス。オスの腹部第6節には1対の角状突起があるが、メスにはない。



by jichouan | 2019-02-06 21:13 | 昆虫 | Comments(0)
2019年 02月 02日

時鳥庵の樹液酒場(その10、スジクワガタ)(最終回)


 この種もコクワガタ同様国内では普遍的に見られる種で、個体数も少なくない。コクワガタよりいくぶん小さく、鞘翅の表面には明瞭な縦条が見られるのだが、中・大型のオスではそれが弱まり、コクワガタのそれに似てくる。しかし、大顎の内歯が常に2歯状であることで、区別は容易だ。また、コクワガタの小型オスでは内歯が無くなるのだが、本種では常に小さな内歯を持つ。時鳥庵では灯火にはあまり来ないが、樹液には普通に見られる。
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(D500; AF-S VR Micro-Nikkor 105mm F2.8G )
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(7DMarkII; Macro EF100mm F.2.8 IS)
一番下の個体は小さいオスだ。良く見ると大顎に小さな内歯がある。



by jichouan | 2019-02-02 13:23 | 昆虫 | Comments(0)
2019年 01月 25日

時鳥庵の樹液酒場(その9、コクワガタ)


 コクワガタはどこにでもいるもっとも普遍的に見られるクワガタムシだが、時鳥庵の灯火にはあまり飛んでこない。だからと言って少ないかというとそうでもなく、樹液などには普通に集まっている。秋には熟したイチジクの果実にも来ていた。成虫で越冬する種類なので、5月ごろから9月ごろまで活動している。
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(OM-D EM-1 Mark II;  M. Zuiko Digital ED 60mm F2.8 Macro)
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(7DMarkII; Macro EF100mm F.2.8 IS)


by jichouan | 2019-01-25 11:38 | 昆虫 | Comments(0)
2019年 01月 17日

再びニホンホホビロコメツキモドキ・・・


 久しぶりに時鳥庵に行ってきた。庵主は越冬中ではあるが、果樹、主にウメ、モモ、スモモなどの剪定や、温室の水やりのためだ。温室の寒蘭は気温がかなり低くなるので、水を控え冬眠させているのだ。それでも月に一度は水をやりに行かなければならない。この方法でこれまでは何とか維持しているのだ。
 話は変わるが、そのついでに枯れたメダケを少し割ってみた。昨年5月ごろ、多数の成虫を確認したニホンホホビロコメツキモドキの新成虫を確認するためだ。切ったメダケを積んでおいた所(ここで成虫が産卵していた)に行って、何本かを選び割ってみたのだ。ほどなく大きなメス成虫が出てきた。やはり時鳥庵の中で発生していたことが分かった。メスオスも出てきた。いくらか採集してみると太いメダケからは大きな成虫が、細いメダケからは小さな成虫が出てくる。これは餌(うる覚えだが、メダケの内側表面に繁殖した菌類を餌にしているのだと記憶している)の量に関係するのだろう。太いほど餌の量が多いということではないだろうか。それに、成虫がいたメダケの内側に、必ず一か所四角形に角ばったくぼみが穿たれている。これは将来脱出孔になるのだろう。発生期にはまだまだ早いが、すでにその準備をしているのだろう。ちなみに本種の脱出孔も外から見ると四角形なのだ。多くの昆虫は丸い脱出孔を穿つのに、ちょっと変わっていて面白い。これはメダケの筋張った繊維質な材質に関係しているのではあるまいか?
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出てきた大きなメス

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太いメダケから大きなオス

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細いメダケから小さなオス

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メダケの内側に穿たれたくぼみ

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脱出孔は四角い

(OM-D EM-1 Mark II;  M. Zuiko Digital ED 60mm F2.8 Macro)


by jichouan | 2019-01-17 13:45 | 昆虫 | Comments(0)
2019年 01月 10日

時鳥庵の樹液酒場(その8、ノコギリクワガタ)


 時鳥庵でノコギリクワガタは年によって発生数に増減があるようだ。一昨年は結構多く、庵のしょぼい灯火(玄関を照らす、小さな白熱電球)にも良く飛来したのだが、昨年は全く飛来しなかった。樹液にも1♀2♂が来ていただけだった。夜、樹液に来ているところを懐中電灯で照らすと、相当赤く見え、やたら美しいのだ。やはり多いのは6・7月で、8月になると少なくなってしまう。
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(D500; AF-S VR Micro-Nikkor 105mm F2.8G )
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(OM-D EM-1 Mark II;  M. Zuiko Digital ED 60mm F2.8 Macro)


by jichouan | 2019-01-10 17:28 | 昆虫 | Comments(0)
2018年 12月 28日

時鳥庵の樹液酒場(その7、ミヤマクワガタ)


 時鳥庵で一番多く目につくクワガタムシはミヤマクワガタだ。庵の灯火には6月の中頃から飛来し始め、8月にはまったく来なくなる。しかし、樹液では8月の中頃まで見ることができる。また、灯火に飛来するのは6月中頃から7月中頃までが多いのだが、樹液には7月中頃から多く集まるようになる。ただ、年によって少ない年もある。
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(7DMarkII; Macro EF100mm F.2.8 IS)
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(OM-D EM-1 Mark II;  M. Zuiko Digital ED 60mm F2.8 Macro)
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(D500; AF-S VR Micro-Nikkor 105mm F2.8G )


by jichouan | 2018-12-28 16:12 | 昆虫 | Comments(0)
2018年 12月 23日

時鳥庵の樹液酒場(その6、オオトモエなど)


 カトカラ以外にも多くのガが樹液に集まるが、庵主にも同定できる比較的大型の種を2種だけ紹介しておこう。ともにカトカラと同じヤガ科のシタバガ亜科に属するのだが、カトカラではない。
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(7DMarkII; Macro EF100mm F.2.8 IS)

上はオオトモエ。前翅の目玉模様がよく目立つ。下はムクゲコノハとカブトムシ。



by jichouan | 2018-12-23 19:32 | 昆虫 | Comments(0)
2018年 10月 26日

時鳥庵の樹液酒場(その5、ベニシタバ)


 ベニシタバは時鳥庵ではやや少ないカトカラだ。それでも7月20日前後には毎晩見ることができた。後翅は鮮やかな紅色をしていて、結構美しいのだが、あまり前翅を開かないので後翅がよく見えないことが多い。時鳥庵では7月にはこのように種類は少ないのだが、多くの個体のカトカラが夜間樹液に集まる。庵の灯火にはほとんど来ないのだが・・・。
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(7DMarkII; Macro EF100mm F.2.8 IS)


by jichouan | 2018-10-26 15:37 | 昆虫 | Comments(0)
2018年 10月 23日

アカタテハ・・・


 草刈を終えて庵に戻ってくると、日当たりのよい所にアカタテハがいた。どこにでもいるチョウだが結構美しい。このオレンジ色の斑紋は羽化したてではもう少し赤みを帯び、そのことからこの和名がついたのだろう。翅の裏側は地味だが、結構複雑な独特の模様があって、特異だ。幼虫はヤブマオやカラムシ、イラクサなどイラクサ科の植物の葉を食べて育つ。庵主の好きなチョウの1つである。
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(7DMarkII; Macro EF100mm F.2.8 IS)


by jichouan | 2018-10-23 17:38 | 昆虫 | Comments(0)
2018年 10月 20日

時鳥庵の樹液酒場(その4、キシタバの仲間)


 これもシロシタバと同じカトカラの仲間だ。最盛期は7月下旬で、やはり個体数も多い。キシタバの仲間は結構種類が多く、ガに疎い庵主には種名までは分からない。また、すべて同じ種類なのか、それとも何種か混じっているのかもわからない(蛾類図鑑にはほとんどの種が極めて鮮明な写真で図示されているのだが、不見識な庵主には区別がつかないのだ)。どれも後翅に黄色い斑紋をもつが、やはり前翅は地味な色彩で、翅を閉じている時は樹皮と紛らわしい。シロシタバと比べると一回り小さい。
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(D500; AF-S VR Micro-Nikkor 105mm F2.8G )
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(7DMarkII; Macro EF100mm F.2.8 IS)

一番上の画像にはキノコゴミムシも写っている。また、一番下の画像の個体は他のに比べて、前翅の色彩がやや淡い。別種なのだろうか?



by jichouan | 2018-10-20 16:08 | 昆虫 | Comments(0)