2018年 03月 04日
マクロ撮影(接写)の場合、被写界深度が浅くなる(ピントの合っているところがわずかの範囲になる)ので、被写体全体を鮮明に写すのは困難だ。そこで、深度合成という方法を使って、被写体全体が鮮明に写るようにする技術がある。被写体を少しずつピントをずらしながら撮影し、それぞれの画像のピントがあっている部分だけを合成するのだ。 今回、タガメの標本を斜め前から撮影した。まず一番手前の前脚付近にピントを合わせ、少しずつピントをずらしながら、最後はタガメの腹端にピントを合わせる。合計で44枚撮影した。1枚目と44枚目は次のような画像だ。どちらもピントが合っているのはごく一部だ。絞りはもっともよく解像すると思われるF5.6とした。 このようにして撮影した44枚の画像を深度合成のできる画像編集ソフトを用いて合成するのだ。庵主はPhotoshop しか持っていないので、それを用いた。Helicon Focus という深度合成ソフトがあって、それの使い勝手がよいという評判だが、あいにく持っていない。そして出来たのが次の画像だ。 実は庵主は今までもこの深度合成には高い関心を持っていたのだが、なにせ面倒くさい。ピントをわずかずつずらしながら相当数の撮影をするなど、考えただけでもおぞましい。ところが、最近はカメラの方が進化して、1枚ごとに少しずつピントをずらせて撮影してくれるのだ。撮影する枚数やピントのずれる間隔も設定できる。こちらは被写体のもっとも手前にピントを合わせ、シャッターを押すだけ。50~100枚程度なら数秒で終わるのだから頼もしい。今回用いたのはOlympus の EM-1 Mark II とM. Zuiko Digital ED 60mm F2.8 Macro だ。今回新たに導入した。この組み合わせなら、カメラ内深度合成もできるが、元画像は8枚に限られる。こちらの使い道は今後いろいろ試してみようと思う。 ただし、何でもかんでも隅々までピントが合っていればよいというものではない。標本撮影ならともかく、野外での生態写真などはこれまでの普通の画像の方が、遠近感があって庵主には好ましい。
by jichouan
| 2018-03-04 16:43
| 昆虫
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